車との事故で歩行者や自転車の人が亡くなった交通事故の6割近くが、仕事(業務)中や通勤中の車の運転によるもので、特に夕方に多発している。秋の全国交通安全運動(21~30日)を前に、10~12月の発生状況を警察庁が調べた結果、こうした傾向がわかった。
歩行者や自転車の人が車によって亡くなったのは、2015~19年の5年間で、各10~12月に計2670件あった。車の通行目的別では、業務が752件、通勤が759件で、合わせて56・6%。他は買い物、知人宅などへの訪問などだった。
うち業務中の運転による死亡事故の発生時間帯をみると、午後4時台~6時台が149件と最多だった。次いで午前10時台~午後0時台119件、午前4時台~6時台101件、午前7時台~9時台100件と続く。通勤中の運転でも同様に午後4時台~6時台と午前4時台~6時台が多い。業務中も通勤中も7~9月に比べ、夕暮れ時や早朝の多発が目立つ。
警察庁は「薄暗い時間と、出勤や帰宅、出先からの戻りで慌ただしい時間が重なり、歩行者や自転車への注意が散漫になっているのではないか」と指摘。車の運転者には早めのライト点灯、歩行者や自転車には反射材の利用などに努めるよう呼びかけている。(編集委員・吉田伸八)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル